たまには気分を変えて、こういう本はいかがでしょうか!
日々忙しい中でも、ふと「この世界はどうやってできたんだろう」と思うこと、ありませんか?
たまには小説やエッセイを離れて、宇宙や地球の成り立ちに思いを馳せるのも、いい気分転換になるかもしれませんよ😆
今回は、ちょっと難しいけれど、知的好奇心がくすぐられる一冊。
『人類が知っていることすべての短い歴史』(著者:ビル・ブライソン / 訳:楡井浩一)です。
上下巻あってボリュームもなかなか!
今回は上巻をご紹介します。
こんな人におすすめ!
・宇宙と生命の謎にわくわくしたい人
・宇宙や地球の歴史をざっくり知りたい人
・難しい内容を楽しく理解したい人

あらすじと補足
「宇宙誕生の秘密」「原子の成り立ち」「地球の構造」「生命の起源」…
そんな壮大なテーマを、ユーモアたっぷりに語ってくれる一冊です。
メインは「地球がどのように誕生し、どんな中身を持っているのか」という話題。
内容は正直、かなり難しめ!
でも、おもしろい話もたくさんあります!
たとえば「宇宙ってそんなに広かったの!?」と驚く話や、万有引力の法則を発見したニュートンのちょっと変わったエピソード、鉛やフロンで人類を危機に追いやった科学者ミジリーの衝撃的な末路など… 読み応えのある雑学も満載です。
印象に残った場面
▶ オーエンという学者の話
古生物学や解剖学で知られる学者・オーエン。
本書のなかで紹介されるエピソードがあまりにも衝撃的でした。
ある日、彼は研究に使っていた人間の生首を坂道でうっかり転がしてしまい、そのまま近くの民家の居間に入れてしまったというのです。カオスすぎる…!
さらに人物像をたどっていくと、彼は非常に気難しく冷酷な性格で、ライバルの功績を横取りしたり、優秀な若手を排除したりと、とにかくトラブルメーカー。
もし身近にいたら「絶対に関わりたくないタイプ」だと断言できます。
しかし一方で、晩年には誰でも入れる博物館を作るなど公益事業に力を注いだというのだから、なんとも不思議な人物です。
数々の問題行動を抱えながらも、社会に大きな影響を残した彼の存在は、良くも悪くも強烈な印象を与える人物像として心に残りました。
▶ キュリー夫人の話
さらに衝撃だったのが、キュリー夫人。ヤマモトも小学生の頃に伝記を読みましたよ!
しかし本書では、その意外すぎる素顔が語られています。
夫・ピエールが事故で亡くなったあと、なんとキュリー夫人は妻子ある男性と不倫関係に。
そのことで世間から大きな非難を浴び、スキャンダルが原因で科学アカデミー会員という名誉ある地位を逃してしまったそうです。
さらに、彼女が放射能研究に命をかけた結果、被曝によって亡くなったのはよく知られていますが、残された書類や日記はいまだに放射線を帯びていて、防護服なしでは閲覧できないとのこと。
伝記だけでは伝わらない人間味やスキャンダラスな側面、そして科学に人生を捧げた代償。
キュリー夫人という人物の光と影の両面を知り、彼女をより立体的に感じられた場面でした。
▶ 俗説についてもしっかり解説されている
たとえば、恐竜絶滅の原因について。
恐竜絶滅の原因といえば「巨大隕石の衝突説」が最も有名ですよね。
子どもの頃から耳にしてきた説ですが、この本では単なる「そうらしい」で終わらず、「なぜその説が有力とされるのか」「どんな証拠があるのか」まで丁寧に説明されています。
表面的な知識をなぞるのではなく、その説がどんな研究の積み重ねによって生まれ、どのように定説となってきたのか。
背景を知ることで、単なる雑学だった恐竜絶滅の話が一気に「科学の物語」として立ち上がってきます。
こうした「俗説の裏側」まで追ってくれる姿勢が、この本の面白さをさらに引き立てていると感じました。
総評
▶ 
全体を通して、かなり難しい内容が多い本だと感じました。
特に序盤の「原子」まわりの説明は、理系が苦手な人にはなかなかハードルが高く、読む手が止まりがちになるかもしれません。
ただ一方で、偉人たちの意外な一面や、科学史の裏側を描いたエピソードはとても面白く、知識としてだけでなく「人間ドラマ」としても楽しめます。
すべてを理解できなくても、気になった部分を拾い読みするだけで十分に魅力が味わえる一冊です。
ストーリー仕立ての小説のように流れを追う必要がないので、難しい章は飛ばしつつ、興味をひかれるところだけを「つまみ食い」する読み方もおすすめ。
巻末に「こんな本が小学生時代にあれば…」との記載がありましたが、正直「いや、これは小学生には無理でしょ!」とツッコミたくなるレベルの難解さ。笑
それでも、科学の世界の奥深さを垣間見られる貴重な一冊であることは間違いありません!
つづきはこちら!