みなさん、カレーは好きですか?
ヤマモトはカレーが大好きで、毎日でも食べたいくらいです。
ヤマモトの地元はスープカレーが有名ですが、最近は近所にスパイスカレーのお店ができました!
これまではスパイスカレーのお店がほとんどなかったので、初めて食べたときは感動しましたね〜😆
おすすめのお店をまとめて「カレー屋さん打線」を組みたい気持ちもあるのですが、今回はカレーにまつわる一冊をご紹介します。
その名も、『カレーライフ』(著者:竹内真) です!
この本は、ヤマモトが高校生のときに図書室で出会った思い出の一冊。
とても面白くて夢中になった作品で、今回、大人になって再読してみました。

こんな人におすすめ!
・古今東西のカレーと旅行が好きな人
・家族や友情の物語を読みたい人
・食べ物が鍵になる小説を探している人
あらすじと補足
ケンスケと従兄弟たち5人は、じいちゃんが作るカレーが大好きでした。
ところがある日、突然じいちゃんが亡くなってしまいます。
「大きくなったら5人でカレー屋をやろう!」
そう誓った彼ら。
しかし大人になったとき… その約束はどうなってしまうのでしょうか。
カレー色に染まった青春物語です。
読んでいると、カレーや沖縄料理のラフテーが無性に食べたくなります。
さらに旅行、特にインドに行きたくなること間違いなし。
最初から最後まで、目次に至るまでカレー尽くしの一冊です!
印象に残った場面
▶ 登場人物の性格
主人公・ケンスケは、とにかく言い訳が多く、詰めも甘い。
自分の意思をしっかり持てず、周りに流されてしまう場面が目立ちます。
そのうえ、何事もネガティブに考えてしまい、うじうじと悩み込むこともしばしば。
読んでいるこちらとしては「もっとしっかりしなよ!」と声をかけたくなるような性格で、ちょっとイライラさせられるのも正直なところです😅
一方、従兄弟のワタルは真逆のキャラクター。
楽観的すぎて、時には「おいおい、大丈夫か?」と思わせる瞬間もありますが、その明るさはやはり魅力的です。
ワタルは常に前向きで、悩んでばかりのケンスケに対して、サクッとポジティブな意見をぶつけてきます。
そのたびに「なるほど、そんな風に考える手もあるのか」と、読んでいるこちらもハッとさせられる場面が多々ありました。
この2人の対比が物語をより立体的にしていて、性格のぶつかり合いが物語のテンポを作っているようにも感じます。
高校生のときに初めて読んだときは、登場人物の性格にここまで引っかかることはありませんでした。
けれども大人になって再読してみると、「若さゆえの未熟さ」や「人それぞれの考え方の違い」に妙にリアルさを覚えてしまいます。
きっと、読み手の経験や年齢によって、人物像の印象も変わってくるのでしょうね。
▶ 描写が丁寧すぎる!
この作品は、とにかく描写が丁寧です。
目に映ったものや音、登場人物の心情にいたるまで細かく書き込まれているので、情景を思い浮かべやすいという点では大きな魅力があります。
特に主人公の視点を通して描かれる日常の場面は、まるで映画のカメラワークを追っているように鮮やかで、「そこに自分もいるみたい」と錯覚してしまうほどです。
一方で、その丁寧さが裏目に出ることもあります。
主人公が感じたことや考えたことが、1から10まで逐一説明されるので、「もうちょっと読み手に委ねてもいいのでは?」と思ってしまう瞬間がありました。
テンポよく進んでほしい場面でも、説明が長く感じられて、正直くどいと感じることもありました。
ただこれは、読み手の年齢や読書経験によって印象が変わる部分かもしれません。
高校生のころの自分は、そんなことを気にせず「丁寧でわかりやすい!」と純粋に楽しんでいた記憶があります。
読書で情景を想像するのが苦手な方や、じっくり描写を味わいたいティーン世代にはピッタリな作品かもしれません。
一方で、大人の読者やテンポ重視で物語を楽しみたい方には、「ちょっと冗長だな」と感じる場面があるかもしれません。
▶ カレーのトリビアが豊富
カレーの うんちk トリビアが興味深いです。
カレーにまつわる小ネタや雑学がたっぷり詰まっています。
「へえ、そうだったのか!」と思わず声に出したくなるような情報が随所にちりばめられていて、読みながら自然とカレー通になった気分になれます。
たとえば「バーモントカレー」の名前の由来。
「バーモント」はアメリカのバーモント州と関係があるのか…?
そんな身近な疑問にも触れていて、読んでいてわくわくします。
また、スパイスの奥深さやカレーに合う隠し味など、思わず試してみたくなる知識も盛りだくさん。
在りし日に食べたじいちゃんの味を再現するために、東西南北を奔走するケンスケたちと一緒に、読者も自然と「カレー探求の旅」に巻き込まれていきます。
読み終わる頃には、ちょっとしたカレー雑学王になった気分で「次にカレーを食べるときはもっと味わい深く感じられそう!」と思えてしまう一冊です✨
総評
▶ 
解説を含めると760ページ以上におよぶ大長編ですが、もしもう少し読者の想像に委ねる余白があれば、もっとコンパクトで読みやすい作品になったのではと思いました。
とはいえ、カレーなだけに少々「辛口」で書いてしまいましたが、実際には読み始めたら止まらなくなるほど面白い一冊です!
青春の熱さとスパイスの香りがぎゅっと詰まった物語で、
カレー好きはもちろん、そうでない方にもぜひ手に取っていただきたいおすすめ作品です!🍛✨
ラフテーもぜひ!😆