ビル・ブライソン 🙂🙂🙂

人類が知っていることすべての短い歴史(下)/ ビル・ブライソン

難しい上巻を読み切ったみなさん、お疲れさまです。

このままの勢いで下巻も読みましょう★ 

何事も勢いって大事ですからね。

ちなみに上巻についての記事はこちらです。よろしければご覧ください。

それでは 今回ご紹介する本
人類が知っていることすべての短い歴史(著者:ビル・ブライソン / 訳:楡井浩一)です。

上下巻あり、今回は下巻をご紹介します。

あらすじと補足

上巻では、地球がどのように誕生し、どんな中身を持っているのかが語られていましたが、
続く下巻では、生命の誕生から人類の祖先が現れるまでの進化の過程が描かれています。
もちろん、現在わかっていることに基づいて。

ただ「わかっていること」が淡々と並べられているわけではなく、
その発見に至るまでの研究者たちの試行錯誤や、失敗談もユーモアを交えて紹介されており、今回もかなり読み応えがあります!

科学の知見というのは、膨大な努力と、いまだ解明されていない謎のすぐそばにあるものなのだと、改めて気づかされる内容です。

印象に残った場面

大気の厚さについて

地球は大気に覆われていますが、大気はどれくらいの厚さがあるのかご存じですか?

わからないけど、「まあそれなりに分厚いでしょう、大気だもの……」と思いますよね。

大気は上空約190キロに及び、地上から見るとけっこうたくさんあるように見えますが、
地球を普通の机上用地球儀の大きさに縮めると、「ニスを二度塗りしたほどの厚さ」でしかないらしいです。

この説明、わかりやすくて好きです。そして、思ったより大気が薄くてびっくり。

当たり前」に思える環境も、実はとても繊細で奇跡的なバランスの上に成り立っているんだなと、改めて感じました。

バージェス○○

バージェス頁岩、バージェス化石、バージェス生物…

バージェス○○という単語がたくさん出てきました。
どれも太古の生物に関する重要な用語らしいのですが、正直、読み進めるうちにどれがどれだか分からなくなってしまいました。

「バージェス」と聞いてまず思い浮かんだのは、アントニイ・バージェス(『時計じかけのオレンジ』の作者)の方。
全然関係ないのに、そっちに意識が持っていかれてしまい、
「次は原田マハ氏の本を読もうと思ってたけど、時計じかけのオレンジにしようかな…」なんて考えはじめたら、もう集中力が行方不明に。

そんなこんなで、結局「バージェス○○って何だったんだっけ?」と記憶があいまいなまま読み終えてしまいました。笑

絶滅動物について

絶滅動物に関する話は、読んでいてとてもつらかったです。

希少な動物を自分のコレクションに加えるために殺してしまったり、
絶滅種の貴重な剥製が、管理のずさんさから紛失・処分されたり。

読んでいて本当にひどい話ばかりで、胸が痛みました。

科学の進歩や文明の発展と引き換えに、私たちは何を失ってきたんだろう。
そんなことを考えさせられました。

この話は本当に悲しくて。

絶滅動物じゃないけど 昨今のペット虐待とか、多頭飼育崩壊とか、
自分勝手な人間のせいで命を脅かされている動物たちに思いを馳せているうちに泣きそうになって、
ドラえもんの映画(アニマルプラネット)とか、人間って勝手だな! というジャイアンのセリフとか、ジャイアンとか、ジャイアンとか考えてました。

総評

3 out of 5 stars

全体的に、上巻のほうがインパクトが強かったと感じます。
奇人・変人エピソードなど、笑える部分が多かったのも上巻。

下巻はそこまで強烈な話は少なかったけれど、
代わりに人類の進化や生命の歴史など、じっくり読み込むタイプの内容が多かったです。

物理や原子などの理系の難しい話は少なく、文系の私には下巻のほうが読みやすく感じました。

とはいえ、上下巻合わせて読むことで、
「私たちは何を知り、どこまで来たのか」という壮大なスケールの旅を味わえる本。
ちょっと難しいけど、たまにはこういう本を読むのもいいかもしれません。