難しい上巻を読み切ったみなさん、お疲れさまです。
このままの勢いで下巻も読みましょう★
何事も勢いって大事ですからね!
ちなみに上巻についての記事はこちらです。よろしければご覧ください!
それでは今回ご紹介する本はこちら。
『人類が知っていることすべての短い歴史』(著者:ビル・ブライソン / 訳:楡井浩一)です。
上下巻あり、今回は下巻をご紹介します。

こんな人におすすめ!
・人類の物語を時空を越えて楽しみたい人
・文明や文化の発展を楽しく学びたい人
・人類史をコンパクトに知りたい人
あらすじと補足
上巻では、地球の誕生から内部構造までが語られていました。
続く下巻では舞台がさらに広がり、最新の科学的知見に基づいて、生命の起源から人類の祖先が登場するまでの進化の道のりが描かれています。
ただ単に「現在わかっていること」を並べるのではなく、そこに至るまでの研究者たちの奮闘や試行錯誤、時には笑ってしまうような失敗談まで紹介されているのが魅力です。
堅苦しくなりがちなテーマも、ユーモラスな語り口のおかげで読みやすく、知識とエンタメの両方を味わえる仕上がりになっています。
読み進めるうちに、科学の知見というものは決して完成された「正解」ではなく、膨大な努力と発見の積み重ね、そして今もなお残る謎と隣り合わせなのだと実感させられました。
下巻もまた、知識と驚きがぎゅっと詰まった一冊です。
印象に残った場面
▶ 大気の厚さについて
地球は大気に覆われていますが、その厚さがどれくらいあるかご存じでしょうか?
わからないけど、「まあそれなりに分厚いでしょう、大気だもの…」と思いますよね。
実際には、大気は上空約190キロにまで及ぶそうです。
数字だけ見ると「けっこうあるじゃん」と思うのですが、これを地球儀サイズに縮めてみると、なんと「ニスを二度塗りしたほどの厚さ」にしかならないのだそうです。
この比喩がとてもわかりやすくて印象的でした。
そして何より、大気が想像以上に「薄い」ことに驚かされます。
普段は当たり前のように呼吸している空気も、実はとても繊細で、奇跡のようなバランスの上に成り立っているのだと改めて感じました。
「大気の厚さ」という一見ささやかな事実からも、地球の尊さを実感できる場面でした。
▶ バージェス○○
バージェス頁岩、バージェス化石、バージェス生物…
「バージェス○○」という単語がたくさん出てきました。どれも太古の生物に関する重要な用語らしいのですが、正直、読み進めるうちにどれがどれだか分からなくなってしまいました。
「バージェス」と聞いてまず思い浮かんだのは、アントニイ・バージェス(「時計じかけのオレンジ」の作者)の方。
全然関係ないのに、そっちに意識が持っていかれてしまい、「次は原田マハ氏の本を読もうと思ってたけど、時計じかけのオレンジにしようかな…」なんて考えはじめたら、もう集中力が行方不明に😇
そんなこんなで、結局「バージェス○○って何だったんだっけ?」と記憶があいまいなまま読み終えてしまいました。笑
▶ 絶滅動物について
希少な動物を「自分のコレクションに加えたい」という理由で殺してしまったり、絶滅種の貴重な剥製が、ずさんな管理によって紛失・処分されてしまったり。
読んでいて本当にひどい話ばかりで、胸が締めつけられました。
科学の進歩や文明の発展の裏で、私たちはいったいどれだけの命を失ってきたのだろう…。
そんなことを考えずにはいられませんでした。
このエピソードは特に悲しく、読み進めながら自然と現代のことにも思いが及びました。
絶滅動物ではなくても、いま現在もペットの虐待や多頭飼育崩壊といった問題で、人間の身勝手さに命を脅かされている動物たちがたくさんいます。
そう思うと胸が痛み、涙が出そうになりました。
気づけば頭の中ではドラえもんの映画「アニマルプラネット」の一場面を思い出し、「人間って勝手だな!」とジャイアンが叫ぶセリフが頭の中でリフレイン。
最後はなぜかジャイアンの顔ばかり浮かんでしまっていました🎤
総評
▶ 
全体的に、上巻のほうがインパクトが強かったと感じました。
奇人・変人エピソードも多く、思わず笑ってしまう場面がたくさんあり、エンタメとしての面白さは上巻に軍配が上がります。
それに比べて下巻は、そこまで強烈な話は少ないものの、人類の進化や生命の歴史といったテーマが中心。
じっくり腰を据えて読むタイプの内容が多く、知識としての重みが感じられました。
また、原子や物理といった理系寄りの難しい話が少なかったので、典型的な文系のヤマモトとしては、むしろ下巻のほうが読みやすかったです。
とはいえ、上下巻を通して読むことで見えてくるのは、「人類は何を知り、どこまで来たのか」という壮大なスケールの旅。
一冊だけでは伝わらない全体像が浮かび上がるので、多少難しくても両方読む価値があると感じました。