こんにちは!ヤマモトサオリです。
みなさん、カレーは好きですか?
私はカレーが大好きで、毎日でも食べたいくらいです。
私の地元はスープカレーが有名なのですが、最近、近所にスパイスカレーのお店ができました。
これまでスパイスカレーのお店はほとんどなかったので、初めて食べたときは感動しました。
いつかおすすめのカレー屋さんをまとめて紹介したい気持ちもあるのですが、今回はカレーにまつわる一冊をご紹介します。
その名も、『カレーライフ』(著者:竹内真)です!
この本は、私が高校生のときに図書室で出会った思い出の一冊です。
夢中になって読んだ作品で、今回、大人になってから改めて読み返してみました。
こんな人におすすめ!
・古今東西のカレーと旅行が好きな人
・家族や友情の物語を読みたい人
・食べ物が鍵になる小説を探している人
あらすじと補足
ケンスケと4人のいとこたち(双子のワタルとサトル、ヒカリ、コジロウ)は、洋食屋を営むじいちゃんが作るカレーが大好きでした。
ところがある日、そのじいちゃんが突然亡くなってしまいます。
「大人になったら、5人でカレー屋をやろう」
じいちゃんを見送ったあと、5人はそう誓い合いました。
しかし大人になった彼らは、それぞれ離ればなれに暮らしていて… あの日の約束は、果たしてどうなるのでしょうか。
カレー色に染まった青春物語です。
物語は、じいちゃんのカレーの味を再現するために、ケンスケたちがアメリカのバーモント州やインド、沖縄へと旅をしながら進んでいきます。
行く先々で新しいカレーや人と出会い、少しずつ思い出の味の謎に近づいていく過程が、この作品の大きな読みどころです。
読んでいると、カレーや沖縄料理のラフテー(豚の角煮)が無性に食べたくなります。
さらに旅行、特にインドへ行きたくなること間違いなし。
最初から最後まで、目次にいたるまでカレー尽くしの一冊です。
印象に残った場面
登場人物の性格
主人公のケンスケは、とにかく言い訳が多く、詰めも甘いタイプです。
自分の意思をしっかり持てず、周りに流されてしまう場面が目立ちます。
そのうえ何事もネガティブに考えがちで、うじうじと悩み込むこともしばしば。
読んでいるこちらとしては「もっとしっかりしなよ」と声をかけたくなる性格で、正直、少しイライラさせられることもありました(汗)
一方、いとこのワタルは真逆のキャラクターです。
楽観的すぎて「本当に大丈夫?」と心配になる瞬間もありますが、その明るさはやはり魅力的です。
ワタルは常に前向きで、悩んでばかりのケンスケに、あっさりとポジティブな意見をぶつけてきます。
そのたびに「なるほど、そういう考え方もあるのか」と、読んでいる私もハッとさせられました。
この2人の対比が物語を立体的にしていて、性格のぶつかり合いが物語のテンポを生んでいるように感じます。
慎重すぎるケンスケと、勢い任せのワタル。
どちらか一方だけでは、カレー屋の夢は前に進まなかったはずです。
2人がぶつかりながらも補い合っていく関係性も、この作品の見どころの一つだと思います。
高校生のときに初めて読んだときは、登場人物の性格にここまで引っかかることはありませんでした。
「若さゆえの未熟さ」や「人それぞれの考え方の違い」や、ケンスケの迷いをそのまま受け止めていたのかもしれません。
働くようになった今は、つい「早く決めればいいのに」と思ってしまいます。
読み手の経験や年齢によって、人物の印象も変わってくるのでしょうね。
同じ本でも読む時期によって見え方が変わるのは、再読ならではのおもしろさだと感じました。
描写が丁寧すぎる
この作品は、とにかく描写が丁寧です。
目に映ったものや音、登場人物の心情にいたるまで細かく書き込まれているので、情景を思い浮かべやすいのが大きな魅力です。
特に主人公の視点で描かれる日常の場面は、情景が目に浮かぶほど鮮やかで、自分もその場にいるような感覚になります。
一方で、その丁寧さが裏目に出ることもあります。
主人公が感じたことや考えたことが一から十まで説明されるので、「もう少し読み手に委ねてもいいのでは?」と思う場面がありました。
テンポよく進んでほしい場面でも説明が長く、正直くどいと感じることもありました。
ただ、これは読み手の年齢や読書経験によって印象が変わる部分かもしれません。
高校生のころの私は、そんなことは気にせず「丁寧でわかりやすい」と純粋に楽しんでいた記憶があります。
読書で情景を想像するのが苦手な方や、じっくり描写を味わいたい10代の読者には、ぴったりの作品だと思います。
しかしながら、テンポを重視して物語を楽しみたい方には、少し冗長に感じられる場面があるかもしれません。
カレーのトリビアが豊富
カレーのうんちkトリビアが興味深いです。
カレーにまつわる小ネタや雑学がたっぷり詰まっています。
「へえ、そうだったのか」と感心する情報が随所にちりばめられていて、読みながら自然とカレー通になった気分になれます。
たとえば「バーモントカレー」の名前の由来。
「バーモント」は、アメリカのバーモント州と関係があるのか…?
そんな身近な疑問にも触れていて、読んでいてわくわくします。
実際にケンスケたちはバーモント州まで足を運ぶのですが、そこで何が待っているのかは、ぜひ本編で確かめてみてください。
普段なにげなく使っている市販のカレールウの見え方が、少し変わるかもしれません。
また、スパイスの奥深さやカレーに合う隠し味など、試してみたくなる知識も盛りだくさんです。
ケンスケたちは、在りし日のじいちゃんの味を再現するために、アメリカ、インド、沖縄と各地を奔走します。
読者もそんな彼らと一緒に、いつの間にか「カレー探求の旅」に巻き込まれていきます。
読み終わるころにはちょっとしたカレー雑学王になった気分で、次にカレーを食べるときはもっと味わい深く感じられそうだと思いました。
総評
解説を含めると760ページ以上におよぶ大長編です。
もう少し読者の想像に委ねる余白があれば、よりコンパクトで読みやすい作品になったのではと思いました。
とはいえ、カレーなだけに少々「辛口」で書いてしまいましたが、実際は読み始めたら止まらなくなるほど面白い一冊です。
青春の熱さとスパイスの香りがぎゅっと詰まった物語なので、カレー好きの方はもちろん、そうでない方にもぜひ手に取っていただきたいおすすめ作品です!
