こんにちは!ヤマモトサオリです。
みなさんは、コナンくんはお好きですか?
私が小学生の頃、祖母が「最近コナンを観てるよ」と言うので、「私も私も!」とすっかり舞い上がったことがあります。
ところが、祖母が観ていたのは名探偵コナンではなく、宮崎駿監督のアニメ『未来少年コナン』の方でした(笑)
ちょうど再放送をしていたんですよね。
というわけで、今回ご紹介するのはこちら。
『緋色の研究』(著者:コナン・ドイル / 訳:延原謙) です。
名探偵コナンといえば、やっぱりシャーロック・ホームズですよね。
主人公の工藤新一くん(コナンくん)は大のホームズ好きで、作中でもたびたびホームズの名前が登場します。
シャーロック・ホームズはずっと気になっていたのですが、今回初めて読んでみました。
『緋色の研究』は1887年に発表された、シャーロック・ホームズシリーズの記念すべき第1作です。
ホームズのシリーズは、出版社や訳者によってさまざまな版が出ていますが、今回私が読んだのは「新潮文庫版」です。
こんな人におすすめ!
・名探偵ホームズの初登場に興味がある人
・19世紀ロンドンの雰囲気を味わいたい人
・古典ミステリーの魅力を体感したい人
あらすじと補足
物語は、名探偵シャーロック・ホームズと、のちに相棒となるジョン・H・ワトスンの出会いから始まります。
ワトスンは、アフガニスタンでの戦争に軍医として従軍し、負傷と病気で体を壊してロンドンへ戻ってきた人物です。
手頃な下宿を探していたところ、知人から「部屋をシェアする相手を探している男がいる」と紹介されたのがホームズでした。
初対面のホームズが、ワトスンを見ただけで「アフガニスタン帰り」だと言い当てる場面は、シリーズを代表する名場面の一つです。
こうしてベイカー街221Bで共同生活を始めた2人。
その後、空き家で外傷のない遺体が見つかり、2人は事件の真相に迫っていく… というストーリーです。
本作は2部構成になっています。
第1部では、ワトスンの視点から、ホームズが事件を解決するまでが描かれます。
第2部では舞台ががらりと変わり、事件の背景や、犯人が犯行に至るまでの過程が描かれます。
最後にはホームズの推理の裏側も明かされていきます。
印象に残った場面
ホームズの性格
ホームズは、かなりの変わり者で、ものすごく自信家、そしてひねくれた性格だと感じました。
頭が良くて物腰の柔らかい紳士というイメージを持っていたので、そのギャップが意外でした。
特に印象的だったのは、科学的な知識や観察力を得意げに披露する場面です。
自分の推理には絶対の自信を持ちながら、他人の無知には容赦なく突っ込みます。
先輩にあたる名探偵たちまでばっさりとこき下ろしてしまうのには驚きました。
エドガー・アラン・ポーが生んだデュパンや、ガボリオが生んだルコックがその相手です。
その一方で、文学や哲学にはほとんど興味がありません。
地球が太陽の周りを回っていることさえ知らなかった… という意外な一面もあります。
「興味のないことは覚えない」という徹底ぶりには、思わず笑ってしまいました。
「天才だけど扱いづらい人」という雰囲気が強く、そんなホームズにワトスンが振り回される様子も印象的でした。
コナンの映画にも登場する名セリフ
ホームズの有名なセリフがあります。
「人生という無色の糸桛には、殺人という真っ赤な糸がまざって巻き込まれている。
それを解きほぐして分離し、端から端まで1インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、僕らの任務なんだ」
実はこの一節こそが、タイトル『緋色の研究』(原題:A Study in Scarlet)の由来になっています。
ただの推理ではなく、「人生そのものを解き明かす探偵」としてのホームズの矜持が伝わってきます。
しかもこのセリフ、名探偵コナンの劇場版 ベイカー街の亡霊 のクライマックスでも使われているんです。
小説から映画へと受け継がれることで、ホームズの存在感がさらに際立ち、世代を超えて語り継がれる名台詞になっていると感じました。
苦手な方は注意! 動物が犠牲になるシーン
本作には、推理を確かめるために、ホームズが犬に毒薬を飲ませる場面があります。
その犬は年老いて重い病気を患っていました。
下宿のおかみさんからも「楽にしてやってほしい」と頼まれていた、と説明されています。
それでも動物が命を落とす描写があるので、苦手な方は注意してください。
フィクションとはいえ、私は動物… 特に犬や猫がかわいそうな目に遭う話がとても苦手です。
一方で、この場面はホームズの冷徹な合理主義を際立たせる、印象的なエピソードでもあります。
真実を明らかにするためなら、ためらわずに手段を選ぶ…
コナンくんの映画では描かれていない、単なる名探偵にとどまらない複雑な人物像を感じました。
総評
とても悲しい真相でしたが、物語の終わりにはきちんと「オチ」が用意されています。
事件を解決したのはホームズなのに、新聞では警察の手柄として報じられてしまうのです。
悔しがるワトスンに対して、ホームズはあっさりしたもの。
そこでワトスンは、真相を自分が記録して世に出そうと決めます。
これがのちのホームズシリーズにつながっていくと考えると、なんだか胸が熱くなりました。
名探偵コナンでも、事件が解決したあとに、ちょっとクスッとできる場面で締めくくられることがよくありますよね。
そういうところにもホームズの影響があるのかなぁ、と想像しながら読みました。
訳者が違うと、雰囲気や表現もまた変わってくると思います。
機会があれば、他の出版社のホームズも読み比べてみたいです。
🎧️ 本作はAudibleでも配信中!
『緋色の研究』は、Audibleでも配信されています。
ナレーターは新川麗さん、再生時間は6時間15分。
Audibleは、今回私が読んだ新潮文庫版ではなく角川文庫版で、駒月雅子さんによる翻訳です。
2012年に刊行され、「決定版新訳」とうたわれている新しい訳なので、新潮文庫版とはまた違った雰囲気で楽しめると思います。
